CPVCコンパウンド(工業用配管用途)

日本の消防庁の調査結果によると、配管流出事故の55.0%は配管の腐食や老朽化などの物的要因によるものです。

流出事故を起こせば、工場作業員や地域住民への被害と損害補償、工場停止による生産性の悪化、行政指導、社名公表によるブランド価値毀損など、影響は計り知れません。それだけに、工業用配管には高い性能が求められます。

積水化学グループのCPVC(塩素化塩ビ樹脂)コンパウンド“Durastream”は、耐薬性と耐久性、機械的強度を兼ね備えた汎用性の高い素材です。“Durastream”で成形されたパイプや継手は、高いレベルの性能を求められる工業用配管用途として、多くの上場で工場で導入されています。

製品概要

“Durastream”はCPVCのコンパウンドとして、主に工業用配管用途の配管・継手を製造する成形メーカーに提供されています。CPVCとはPVC(塩ビ樹脂)を後塩素化させ、PVCの性能を保持しつつさまざまな性能を強化した高機能プラスチック素材です。

機械的強度、耐薬性、耐熱性、難燃性、腐食耐性などが優れており、工業用配管用途として導入しやすい製品です。

化学プラントや半導体工場などの過酷な環境下でも導入でき、高温・高圧がかかる配管や、強い酸性・アルカリ性・有機溶剤などを扱うための配管として活躍します。

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“Durastream”が選ばれる理由

“Durastream”が工業用配管用途に選ばれる理由は主に、機械的強度とコストパフォーマンス、耐薬性の優秀さにあります。

引張強度は55~58MPaでエンプラ基準である50MPaを、曲げ弾性率は2,800MPaでエンプラ基準の2,400MPaをそれぞれ上回っており、必要とされる強度を十分に満たしています。他社製品で機械的強度が上回る場合もありますが、“Durastream”はコストパフォーマンスも高くバランスの取れた特徴があります。

耐薬性については、酸性・アルカリ性ともに高く、他社製品や金属製品と比べても、優れた水準にある点が強みです。

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認証済み規格

“Durastream”はさまざまな分野の規格に準拠しています。

たとえば給湯・給水配管の用途では、国際的な認証であるNSFを取得しています。NSF(正式名称:National Sanitation Foundation:国立公衆衛生財団)は飲料水の公衆衛生に関わる安全基準を定めている第三者機関です。WHOの協力機関に登録されるなど、厳格で国際的に高い信頼を得ています。

消火スプリンクラー配管の用途ではUL規格の認証を受けています。UL規格とは、アメリカ保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories Inc.: UL)が策定する製品の安全規格です。過酷な環境下でも問題なく稼働し、高い耐久性を備えなければ認証を受けることはできません。

以上のように、“Durastream”はグローバル基準の厳しい規格に準拠しており、国際的に高い信頼を寄せられています。

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